
手作り石けんのイメージに
「溶け崩れやすい」
「泡立ちにくい」
というのがあります。
これ、払拭したい!!
「固さもある程度しっかりしていて
泡立ちも肌へのやさしさも満足のいく
「ちょうどいい塩梅」の石けんは作れる」
…というのが私のスタンスです。
そのため、拙著「石けんだけで肌はきれいになる」
のレシピでは、固さも、泡出しも、やさしさも両立した
私なりのオイルの配合率を紹介しています。
▼WEBメディア「melabo」さんで
嬉しいくらい的確に記事を書いていただいています。 http://melabo.net/goodthings/body/junkoide-soap/
(引用)「“手づくり”といえば、独特のあたたかみを思い浮かべるひとが多いかもしれない。素材や香りなど、一つひとつにこだわった、手のかかったもの。一方で、使い勝手や機能性などは市販品に比べて劣る……というイメージをもつひとも。
実際、手づくり石けんはレシピによって、泡立ちにくかったり、湿気でドロドロになりやすいものもある。でも井出さんの石けんは、そんな印象を軽やかにくつがえしてくれるのだ。
彼女のレシピは、オイルの配合でネガティブポイントをカバー。季節や使い心地も考えて素材を選ぶという。」
何度読んでも、嬉しい・・・。
(ニイミさんありがとう!!)
それでも、やっぱり従来の
市販の固形石けんと同じ認識でいると
「溶けやすい」と感じることもあるかもしれません。
結論から言うと
「手作り石けんは使ったらすぐに水切りをして、湿気のないところに置く」
これが鉄則で、こうするだけで
石けんの持ちがぐんとアップします。
特に気をつけたいのが浴室です。
置きっぱなしは、避けたいですね。
湿気に常にさらされることになり
石けんの中のグリセリンが空気中の水分を
ぐんぐんひきつけます。
その結果、石けんの表面は
湿った状態が続いてしまい
簡単に溶けやすくなってしまいます。
私も、お風呂に入るごとに
石けんを出し入れしています。

一方、市販の固形石けんは
溶けるイメージがあまりないですよね。
理由は、水分をひきつけるグリセリンが
意図的に排除されていたり
原料オイルのほとんどが、
飽和脂肪酸系オイル(パームオイル、パームカーネルオイル、ココナッツオイルなど)
に偏っていることが見受けられます。
飽和脂肪酸系オイルは、
固さも出るし、溶けにくいです。
例えば、人気の『牛乳石鹸』。
こちらは「釜焚き製法」で
主原料は「牛脂、ヤシ油、カセイソーダ、食塩」だそう。
(参考:https://www.cow-soap.co.jp/event/kodawari/kodawari02/ )
「牛脂」も「ヤシ油(ココナッツオイル)」も
飽和脂肪酸系オイルです。
しかも、「食塩」は石けんをぎゅっと
固める作用があります。
塩は石けんの泡立ちを弱めがちですが
泡立ち&洗浄作用抜群の「ヤシ油(ココナッツオイル)」の
比率が高そうなので、問題はなさそうです。
このように材料を見るだけで、
固さも、泡立ちも、バッチリの石けんだと分かります。
浴室に置いたままでも、あまり心配はないかもしれません。
ところが、手作り石けんの場合
飽和脂肪酸系オイルを主原料として
使うレシピはあまり見かけません。
(掃除用とか、キッチンソープくらい?)
一般的に、不飽和脂肪酸系オイルを
材料全体の半分以上使いがちだと思います。
それは例えば常温で液体のオイル。
「オリーブオイル、米油、椿油、ひまし油、
スイートアーモンドオイル、
マカダミアナッツオイル、、」などなど
これらのオイルを使えば
素晴らしい石けんになるけれど、
石けんに「固さ」を出す役割はしないのです。
元から石けんにグリセリンが存在している上に
これらのソフトオイルがたくさん配合されているから
湿気や水分には多少なりとも影響を受けてしまいます。
以上、ちょっとマニアックな話かもしれませんが
手作り石けんを使うなら、知っておいたほうがいいことでした。
「手作り石けんに挑戦してみた、使ってみた!」
という人によくお会いしてお話しする中で、少し気になったので。
参考になりますように。
(‐^▽^‐)
井出順子